公開: 2024年4月24日
更新: 2024年4月24日
米国社会などでは、義務教育の課程でも、教室の編成は、生徒たちの学習進度を基準に実施されています。それぞれのクラスには、獲得すべき知識の水準が決められていて、その知識水準の違いで、生徒たちが参加すべきクラスが決められています。特定の生徒が、学期末に、そのような学習目標を達成できていなければ、「目標が達成できなかった」として「落第」して、学習進度の「低い」クラスに移動します。生徒たちは、授業ごとに自分のクラスを移動して、適切な授業を受けることになっています。
これに対して、日本社会ては、全ての生徒が1日中、同じ教室の中で、同じ教員から、常に同一の授業を受けています。授業について行けなくても、特定の生徒が「落第」させられることはありません。つまり、全ての生徒が、同時に次の学年に進級し、次の学年で学べき知識の説明を受けることになります。このことから、不十分な知識しか学んでいない生徒たちは、知識が不十分なまま、より高度な知識を教えられるため、知識の獲得が難しくなり、学ぶことを「諦(あきら)める」生徒が増加すると言う問題が指摘されています。
本来、進度別教育は、集合教育の前提になっているのですが、それを無視した日本の年齢別教育は、進度の低い生徒たち、進度の高い生徒たちにの両者にとって、授業を意味の少ないものにしています。つまり、普通の生徒が大部分である社会では、効率的で、有効な方法ですが、生徒の間で、知識の格差が顕著な社会では、あまり効果的ではない教育方法です。